DOD FX25 Envelope Filter 徹底レビュー|オートワウの仕組み・使い方・音作りを解説

DOD FX25 Envelope Filter(オートワウ)

DOD FX25は、演奏の強弱によってワウの開き具合が変化する「エンベロープフィルター(オートワウ)」の名機です。
ピッキングニュアンスをそのまま音に変換できるため、ファンク、ブルース、ロック、フュージョンまで幅広く使われています。

この記事では、DOD FX25を実際に使用してきたミュージシャンの視点から、
・エンベロープフィルターとは何か
・FX25の仕組みと特徴
・実践的なセッティングと音作り
を詳しく解説します。

エンベロープフィルターとは何か

エンベロープフィルターとは、演奏の音量変化(エンベロープ)に応じて
フィルターの開閉が自動で変化するエフェクターです。
一般的には「オートワウ」とも呼ばれます。

ここでいうエンベロープとは、
A(アタック)
D(ディケイ)
S(サステイン)
R(リリース)
という、音の時間的変化を表す包絡線のこと。

シンセサイザーでも使われるこの概念を応用し、
エンベロープフィルターは入力信号の強弱を検知して
フィルターのカットオフ周波数をリアルタイムに動かします。

フィルターの開閉とダイナミクス

エンベロープフィルター最大の特徴は、
「踏んだらかかる」エフェクトではないこと。

強く弾けばフィルターが大きく開き、
弱く弾けば閉じたままになるため、
演奏者のタッチそのものが音色に直結します。

DOD FX25には、
・感度(Sensitivity)
・フィルターの深さ(Range)
の2つのノブがあり、
これに加えて「ピッキングの強さ」が
実質的な第3のコントローラーになります。

そのため、設定以上に
“弾き方”が音を決めるエフェクターと言えるでしょう。

演奏例とセッティング

以下はDOD FX25の音色を確認するための演奏例です。
使用ギターはGibson SG、アンプはFender Vibro-King。
ファンク寄りのバッキングフレーズで検証しています。

クリーン/フィルター閉じ気味

フィルターを閉じ気味に設定したクリーンサウンド。
ピッキングの強弱によって、
自然にフィルターが開閉する様子が分かります。

G2D CUSTOM OVERDRIVEを追加

同じフレーズにオーバードライブを追加。
歪みエフェクターは、フィルターの前段に置くのが基本。

歪みの後ろにフィルターを置くことで、
タッチへの追従性が保たれ、
音のニュアンスが潰れにくくなります。

Stevie Salas風フレーズ

Stevie Salasを意識したリズムフレーズ。
強いアタック時のザクザク感と、
フィルターのうねりが心地よく出ます。

フィルター開き気味

フィルターの開きを広げた設定。
ピークポイントが上がり、
ワウ効果がより分かりやすくなります。

Bootsy Collins風

Bootsy Collinsのようなファンクベース的アプローチ。
極端に開いたフィルター設定により、
「ブチブチ」とした強烈なファンクサウンドが得られます。

関連ビデオと参考情報

Red Hot Chili Peppersのベーシスト Flea は、
教則ビデオの中でDOD FX25の魅力を紹介しています。
ドラマー Chad Smith とのグルーヴも必見です。

また、Bootsy Collins率いる
Bootsy’s New Rubber Band には、
David Sanborn、Hiram Bullock、Omar Hakim など
名だたるミュージシャンが参加しており、(このTV番組の特別編成?)
エンベロープフィルターの音楽的可能性を体感できます。

Gary “Mudbone” Cooperのヴォーカルも見逃せない!!

Stevie SalasのSWR2 Wah Rocker – ギタリストのStevie Salas自身がGuyatone社のシグネチャーモデルSWR2を使ってフレーズを披露する教則ビデオ。オートワウの応用例として参考になります。動画へのリンク

筐体の後ろ側 – DOD FX25の筐体はフタが外れても独特の可愛らしさがあります。

DOD エフェクター

まとめ|DOD FX25は“弾き手を映すエフェクター”

DOD FX25は、演奏者の表現力をそのまま音に反映させる
ダイナミックなエンベロープフィルターです。

A・D・S・Rという包絡線の考え方を応用し、
弾き方=音色になるのが最大の魅力。

設定を詰めるだけでなく、
タッチやリズムを意識することで、
クリーンから強烈なファンクまで幅広い表現が可能です。

「自分のタッチをもっと音に出したい」
そんなプレイヤーにこそ、試してほしい一台です。

関連リンク:

🎶 アーティストページ:まえけんビーバーの音楽活動

🎤 講師紹介ページ:まえけんビーバーの音楽遍歴

📅 ライブ・イベント出演予定

Fulltone Clyde Wah 徹底レビュー|ワウの仕組み・使い方3選・音作り・耐久性まで

Fulltone(フルトーン)社製エフェクター、Clyde Wah(クライドワウ)

このページでは、エレキギター用ペダル型エフェクター Fulltone(フルトーン)Clyde Wah(クライドワウ) を、
「ワウとは何か?」から「実践的な踏み方」「音作り」「20年級の耐久性」まで、現場の視点でまとめます。

ただの機材紹介ではなく、“ワウが上手くなる使い方” に踏み込みます。

ワウペダルとは?(仕組みを1分で理解)

Wah(ワウ)は、ざっくり言うと 足で動かせるパラメトリックEQ です。
ペダル操作で「強調する帯域(周波数)」を低域〜高域へスライドさせ、音色を口のように“ワウワウ”変化させます。

典型的な踏み方はこれ。
・前に踏むほど高域が強調(シャキッ、叫ぶ)
・戻すほど低域が強調(モコッ、太い)
多くの機種は、つま先側を踏み込むとスイッチがONになり、もう一度踏むとOFF(バイパス)に戻ります。

どんなフレーズでもいいので、弾きながらペダルを前後に動かすと「クワクワ」という「誰でも一度は聞いたことがある」サウンドになります。

Fulltone Clyde Wah は何が特別?(王道ワウの“雑味取り”)

Clyde Wahは、ワウの歴史の中でも名機とされる 「Clyde McCoy Wah(いわゆるピクチャーワウ系)」 の ヴィンテージ感を狙ったモデル。
派手に奇抜な音ではなく、王道ワウの芯だけ残して、不要な雑味を削いだ 方向性です。

体感としては、同じ設定でも
「輪郭が近い」「触れそうな距離で鳴る」「踏み幅が気持ちいい」。
だから“リードで叫ばせる”だけじゃなく、バッキングで踏んでも濁りにくいのが強みです。

まずはその実際の音からお聞きください。

アンプはFender / Vibro-KingのVol8程、その他のエフェクト無し

クライド・マッコイ・ワウ

トランペット奏者の「クライド・マッコイ」は、1920年代後半にトランペットのミュートを使ったワウ・ワウサウンドを作り出しました。

1967年にはイギリスの楽器メーカー「Vox」が彼の名前を冠した「クライド・マッコイ・ワウ・ペダルV847」を発売します。初期のバージョンでは、ボトム・パネルに彼の署名付きの肖像画(Picture)があり、「ピクチャー・ワウ」との愛称があるほど特に珍重されています。

クライドの名前はプロモーションのために使用され、クライドはペダルの使用や開発とは何の関係もなかったようですが、「クライド・マッコイ」といえば、良質なワウワウペダルの代名詞のようになっています。

有名な使用者|ジミヘン、クラプトンが“弾きこなした道具”

当時のV847の有名な使用者としては、ジミ・ヘンドリクス、エリック・クラプトンが有名です。

ジミのV847を使用する動画は「Jimi Plays Berkeley」においてのリハーサル風景で見ることができます。

エリック・クラプトンにおいては「ホワイト・ルーム」

超ベタな選曲ですが、フェイザーの様にリズミックに中低域辺りで踏んでオルガンの様な音を演出したかと思えば、曲の盛り上がりと共に叫ばせることも忘れません。

発売間もないV847を22歳のクラプトンがフレーズごとに踏み方を変え、完全に弾きこなしているのには改めて驚きます。

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まえけんビーバーのワウ遍歴|VOXで十分と思ってたのに…

私はギターを始めたころからジミヘンやクラプトンが好きでしたので、ワウ・ペダルは欲しいエフェクターでした。

最初に買ったのは

・JimDunlop社のジミヘンワウ

・Voxのワウペダル(復刻)

どちらも随分役に立ってくれたワウでした。

発売当時の時代背景(1990年代)

私が20代の頃のポップミュージックはレニー・クラビッツやレッドホットチリペッパーズ、らの登場で60年代、70年代へ回帰するソウル、ファンク、それらに影響を受けたロックが流行していました。80年代の反動かのようにヴィンテージサウンドに傾倒した音は古い名アンプ、ギター、エフェクターで鳴らされていました。

そんな中、楽器メーカー各社からオリジナリティあふれるワウ・ペダルが発売され「ワウ群雄割拠」ともいうべき時代を迎えます。

・ON/OFFが楽ちんでハイパーな効きのMORLEY BAD HORSIE

・ROGER MAYER VisionWah

・Boss PW-10(モデリング技術で名機を再現)

私の中では「ワウ・ペダルはVOXで充分」と考えて、あえてワウを探していなかったある日、勤務する楽器店に営業の方があるワウ・ペダルを持ってこられたので、早速試奏させてもらいました。

そのワウ・ペダルと比較すると、今まで気に入って使っていたVOXワウが薄い膜で覆われているような音であるのに比べ、そのワウ・ペダルはワウの掛かった音が手に触れるぐらい近く感じられる音でした。ワウ音の輪郭が、良く研がれたナイフの刃先のような美しさです。

独創的な音ではないのですが、伝統的なワウの王道サウンドから徹底的に雑味を削ぎ落した洗練された音でした。

デザインと存在感|白ボディに「CLYDE」ステンシル

そのワウ・ペダルこそがこのFulltone(フルトーン)社Clyde Wah(クライドワウ)でした。

鉄の板を曲げて作られた角ばったボディーにまっ白のペイント、軍用の機器にスプレーでステンシルされたような「CLYDE」ロゴ。

他社の定番ワウ・ペダルのボディーが鋳物(金属をとかして鋳型に流し込んで作られた器)で黒色なので比較すると、とにかく独特の存在感です。

「今までの定番品とは全く違う」ということをより明確に打ち出したかった「マイク・フラー」さんの気概が感じられます。

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当時の価格と内部トリム|高い。でも音を出すと納得するやつ

価格も「定番品と全く違う」¥69,800税別であったと思います。

回路のシンプルさと反比例するのその価格設定に、音を出す前は「なんじゃそりゃ」という気持ちでしたが、音を出してしまった後はなんとなく納得してしまいました。

また裏ブタを外した中の基盤に自分好みに調整するツマミがあるらしく、それを含めてワクワクさせるワウペダルでした。

裏ブタを開けたところ、、、


マイク・フラーさんのサインとシリアルNO.2554と共に例のツマミがあります。効果はパラメトリック・イコライザーにおけるQと思われ、強調する量を変えられます。

矢印↓はマイクフラーさんがチェックしながら一番推奨位置につけてくれているそうなので、まじめにその位置を守っていましたが、今はもう少し突っ込んだ位置に変えています。

ワウの中の写真

このツマミの位置ではクリーンサウンドの時には効きすぎてしまうのですが、クランチサウンドが主の最近はこの位置くらいがちょうど良いようです。

因みにこのつまみを写真の位置以上にすると、ペダルを後ろへ戻した際、スピーカーを飛ばしてしまいそうです。

結局そう時間もたたない内に、その営業の方も私もクライドワウの音に魅せられ、クライドワウオーナーになってしまいました。

ジミヘンワウ、VOXワウ、と続いたワウ遍歴でしたが、これにてワウ探しの旅は終わりました。

高価でも売れたクライドワウ

それからというもの、ワウ・ペダルを買いたいという楽器店のお客さんにはどんな予算の人にも一応比較対象としてクライドワウで音を出してもらいました。

店長と私で10台くらいは買ってもらったように思います。

予算オーバーのとても高い買い物をさせてしまったお客さんもおられたと思いますが、今でも気に入って使ってくれていれば、安い買い物であったと思います。

ワウの使い方3選|「踏む」じゃなく「演奏に組み込む」

ところで今回のエッセイを書くにあたって、ワウ・ペダルについて言及しているサイトをいくつか見てみたのですが、その使い方について掘り下げているサイトが少ないように感じましたので少し書いてみることにしました。

1)リズムに合わせて踏む(最も王道)

一番オーソドックスといえるプレイです。前出の「White Room」のバッキングでも聞けますが、イントロでは名手ウルフルケイスケさんとストラト、Fender系アンプ、ワウ・ペダルの4身一体のピュアなサウンドが聞けます。

繊細なクラプトンとは違って、その名の通りガッツあるサウンドが素晴らしいです。

ウルフルズ / ガッツだぜ!!

2)フレーズに合わせて踏む(感情表現の武器)

フレーズや曲の展開にわ合わせて開き具合を調整し、ここぞというときに踏み込むことで感情を表現することが出来ます。

口をパクパクさせるもよし、ネックをオーディエンスへ突き出すもよし、

アクションとシンクロさせることで効果は倍増します。

The Jimi Hendrix Experience – Voodoo Child (Slight Return) (Live In Maui, 1970)

私の若き頃の演奏はこちら↓因みにこのころはまだ「VOX(復刻)」でした。

Blues – Che Guerrilla @チキンジョージ(2001/7/1) 

3)止めワウ(EQ的に固定して使う)

クイーンのブライアン・メイは中域を強調した一つの音色として、曲に取り入れました。

余談ですが、クイーンの前身のバンド「スマイル」ではジミのカバーもやっていたそうです。

ジミがイギリスでデビューしたことが、当時のイギリスの若者に与えた影響は計り知れないものがあったと思われます。

また元ポリスのスティングは15歳の時にジミのライブを見て衝撃を受け、ライブが終わったその足でレコード店に向かい、「ヘイ・ジョー」のシングルを買ったそうです。

私は意図的にフィードバック奏法(スピーカーから出ている大きなギターの音が直接ギターの弦に当たることにより再度弦の揺れを引き起こし、音が減衰せずに無限に伸びる奏法)をするために使っています。

フィードバック奏法とはそもそも偶発的に起きた現象をジェフ・ベックが音楽に取り入れたことがはじまりとされる(諸説あり)奏法なので、どの弦のどのフレットで起きるかをコントロールしにくいのですが、アンプから出る音量と歪みをフィードバックする寸前に設定しておき、ここぞというときにワウをONにすることでフィードバックが出易い状態になります。

ペダルの位置でフィードバックする弦やフレットを調節できるので、とても実践的かつ気持ちいいです。フィードバックを得るために何らかの歪みを足す方法もありますが、その後のソロやリフの音色に大きく影響が出てしまいますし、どの弦のどのフレットでフィードバックするかはワウ・ペダルを使う方法と比べるとコントロールしにくいです。

以上拙い説明でしたが、これらをヒントに、ご自宅のワウ・ペダルの活躍する場が増えるなら本望です。

耐久性|20年級でも壊れないのが地味に最強

あとクライドワウについて、特筆したいのはその耐久性です。

もう作られてから20年近く経とうというのに、全く壊れません。

ワウ・ペダルの泣き所のポットはガリ一つ出たことがありません。

ポットの写真


長く置きっぱなしにしていますと、ON/OFFスイッチが機嫌が悪くなったりはありますが、クライドワウ以前に所有していたワウ・ペダルのように、足をのせる部分のゴムが剥がれるようなことは全くありません。

不必要と思われるほど、強靭な部品や接着剤を選定しているからこその耐久性であり、多くのファンを得ている秘密かもしれません。

まとめ|Clyde Wahは「王道ワウを一生モノにしたい人」に刺さる

Fulltone Clyde Wahは、ワウの王道サウンドを磨き上げた、定番の最終形みたいなペダルです。
・バッキングでも濁りにくい
・踏み幅が気持ちいい
・耐久性が高い
この3点が揃うと、ワウは“たまに使うネタ”じゃなく“武器”になります。

関連リンク:

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MXR Phase 90 徹底レビュー|フェイザーの仕組み・使い方・名曲の音に近づくセッティング

MXR Phase 90 レビュー

MXR Phase 90は、フェイザー系エフェクターの“基準”になった定番ペダルです。
たった1ノブ(SPEED)で「グワングワン」と揺れる、あの“水中サウンド”を作れるのが最大の魅力。
ファンク、ロック、ブルース、キーボードまで、ジャンルを超えて今も現役です。

MXRとは?|“使いやすさ”を標準化したエフェクターメーカー

1972年創業、共同設立者のTerry SherwoodとKeith BarrはニューヨークのロチェスターにあるRush-Henrietta高校で出会い、オーディオ修理事業であるAudio Servicesを立ち上げ、ステレオやその他の音楽機器を修理を始めました。

この経験がMXRを形成する基礎となり、独自のエフェクトペダルのデザイン、Phase90を作成し、すぐにDistortion+、Dynacomp、Blue Boxの順で産み出しました。

1987年、MXRブランドはジム・ダンロップ社に買収され、Phase90やDyna CompなどのオリジナルのMXRクラシックのペダル・ラインはもちろん、現在ではCarbon CopyやFullbore Metalなどの最新のペダルを製造・販売を続けています。(英wikiより)

音がすばらしいのは皆さんが認めるところですが、基本モデルのケースを同じサイズにしたことや、種類ごとに本体の色をカラーリングして見分けやすいようにしたことが、、

●ユーザーとしては、安価で手に入れやすく、ステージ上で認識しやすく、運搬しやすい。

●メーカーとしては、利益を確保しやすい

という、エフェクター界のFenderとも言えるイノベーションを起こしたメーカーです。

その後、シリーズを通して同じケースであることや、歪み系は「黄色」というところは、我らが日本のBossにも引き継がれています。

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Phase 90で何ができる?|フェイザー=“ロータリー風の揺れ”を箱で作る

ところで今回の主役のPhase90は、フェイザーと呼ばれるエフェクターの最初期のモデルのひとつです。

フェイザーはONにすると「グワングワン」と音が揺れ、揺れのスピードをツマミの設定で速くしたり遅くしたりできます。

有名なハモンドオルガンの揺れを作る要素、「ロータリースピーカー」の効果を簡単に得られます。

「ロータリースピーカー」とは?

スピーカー自体を垂直の柱を軸にしてモーターに連結し、その回転、停止、回転スピードをプレイヤーが操作できるようになっている「アンプ付きスピーカー」

Hammond社で作られるオルガンの再生装置として作られました。

スピーカーの横に座っているオルガンプレイヤーの耳には、必然的にスピーカーがむこうを向いているときに鳴った音とこちら側に向いている時に鳴った音を同時に連続的に耳にします。

音は比較的伝わるのが遅い媒体なので、それだけの違いで、微妙にずれた音が重なって聞こえることになります。

再生箇所が移動していることにより、ドップラー効果も加わり、揺れに独特の深みが得られます。

実際どう使われてる?|“でかいロータリー”の代わりに普及した理由

「ロータリースピーカー」はビートルズの名曲の中では、ギターにも使われています。

Beatles「Something」

では左chのジョージハリスンのギターに柔らかい包み込むようなサウンドを聞くことが出来ます。右chのポールのベースがすご過ぎて耳を奪われますが、、、

しかしながら、でかい・重い・デリケートな「ロータリースピーカー」は潤沢な資金で音楽活動する当時のビートルズは気軽に使えたでしょうが、一般のミュージシャンではそうはいきません。

同様の効果が得られるエフェクター、Shinei社(現KORGの前身) Uni-vibeは登場していたものの、よりコンパクトで9V電池駆動可能のPhase90は爆発的に普及し、キーボーディストにも愛好者が広がりました。

現在でもキーボードの上に直に置かれているPhase90をよく見かけます。デジタル機器の内臓フェイザーではなく、アナログのフェイザーを外付けしたい気持ちはよくわかります。

Phase 90の原理|音を“ほんの少しズラして”揺れを作る

ではクルクル回るスピーカーから出る音をどうやってこの小さい箱で真似られたのでしょうか?

音は一種の波です。縦軸を振幅、横軸を時間とするグラフで音をあらわすと、どのような音も波のような形になります。

波の形が音の特徴をあらわし、波の間隔が狭くなると音程は高くなり、間隔が広くなると音程は低くなります。

その間隔が1秒に何回行われるかを数値化すると周波数となります。一秒に440回なら440hzとなり、音階はラ(A4)となります。

そして音の高低を問わず「上がって下がってもとの位置に戻る」波の1周期を360°と呼び、Phase「90」はその「ずらし度」を表しているそうです。厳密には音の高低によって波の1周期の長さが違うので、弾く音によっては90°でないのですが、姉妹機種のPhase45、Phase100も同様の意味の様です。

「ロータリースピーカー」においては、回転するスピーカーが物理的にそのずれを作り出すのに対して、「Phase90」では電気的に作り出しました。

専門的なことは私も詳しくないのですが、「ほんの少しだけ、音をずらして発生させることにより揺れを作り出す効果」とすれば分かって頂きやすいでしょうか。

ヴァン・ヘイレンも愛用?|著名ギタリストの使用例

有名なユーザーは、Eddie Van Hallenですが、70年代ファンクやロックに携わったミュージシャンならその全員が使ったことがあるのではないでしょうか。

芯があってクリアでやわらかいアナログサウンドは、どのスピード設定でも使えますし私自身、PHASE90かけっぱなしでリズムもリードも弾いています。

私とPhase 90|ジミヘンの“あの揺れ”が欲しくて

20代の頃でした。

大好きなジミヘンの曲をライブのレパートリーに必ず入れていた私の悩みの種は

Machine Gun (Live At Fillmore East, 1970 / 50th Anniversary)

Villanova Junction (Live at The Woodstock Music & Art Fair, August 18, 1969)

をそれっぽい音で弾けないことでした。

何らかのエフェクターが掛かっていることはわかるのですが、何かまではわかりません。

高校3年生の頃にはギターを辞めようかという友人がいて、辞めるのだったらと、高価なマルチエフェクターを借りて一通りエフェクターの音は知っていたつもりだったので、余計に何でこんな音がするのかわかりませんでした。

ところが当時勤務していた楽器店で、中古楽器を手入れ中に発見してしまったのがまさにこのPhase90でした。

音が出るかチェックするだけの「作業」だったのですが、とにかくクリーンでも、歪ましてもあの「水中サウンド」になるもので、ありとあらゆるアンプや歪みと繋げて延々遊んでしまいました。

おすすめのつなぎ方(現場的な好み)

特にヴァンヘイレンがそうであったように、センドリターンに挟むというようなこまっしゃくれたことはせず、マーシャル等の歪みの前に繋ぐことでより自分好みの音になりました。

他の空間系とは一線を画すウォームサウンドはどんなジャンルの音楽にも使えると思います。

まとめ|Phase 90は「揺れ」を“音楽にする”最短ルート

MXR Phase 90は、シンプルなのに音楽的。

1ノブで、ロータリー風の揺れから“水中サウンド”まで幅広く作れます。
かけっぱでも成立する芯のあるアナログ感は、今も愛される理由そのもの。

「揺れを足したい」じゃなく、“揺れを演奏に混ぜたい”人に刺さる一台です。

関連リンク:

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トートバッグをつくってみた

まえけんビーバーオリジナルトートバッグ

「まえけんビーバー」としてのグッズを作ろうと考えておりましたら、神戸北野坂ライブハウスPADOMAのオーナーN様より、情報をいただきました。

 【インストラクターさんに教えてもらいながら、シルクスクリーン印刷を自分できるところがある】

自身で調べたところそれは

シルクスクリーン工房「アトリエKAVC」

であることがわかりました。

オーナーN様からは、「利用できたなら、レポートをお願いします」とご依頼を受けておりましたので、お礼の気持ちも含めまして以下にまとめます。

●電話orWEBで開催日、空き状況を確認

●予約
※WEB上には「午後(13:30-17:00)のみ ¥1300 + 材料費:¥900」と記述がありますが、内容により、短縮/延長ができるようです。
初心者の私は、データ調整、版下作成、印刷14枚を、所要時間3時間弱でした。

●adobeイラストレーター上でロゴ候補数個作成
※細い線や点でできたデザインは、刷る技術が必要なので、初心者の私は「希望のデザイン」、「刷りやすそうなデザイン」など計4個作りました。

●データ受け渡しメールアドレスにaiデータを送信

●必要なもの(エプロンも)は用意されているそうなので、刷る対象物のみを持参でアトリエへ

シルクスクリーン作業中
なれない作業でも楽しいシルクスクリーン

パンフレット

留意点

●お店のスタッフTシャツなどは商用利用にあたり、当施設の利用をお断りしておられるそうです。私のようなアーティストのオリジナルグッズを作成しそれを販売することは構わないそうです。

 私と同様にアーティストグッズを作りたいなー、という方がいらしたらぜひご利用ください。相談にも乗ります。。

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