MXR Phase 90 徹底レビュー|フェイザーの仕組み・使い方・名曲の音に近づくセッティング

MXR Phase 90は、フェイザー系エフェクターの“基準”になった定番ペダルです。
たった1ノブ(SPEED)で「グワングワン」と揺れる、あの“水中サウンド”を作れるのが最大の魅力。
ファンク、ロック、ブルース、キーボードまで、ジャンルを超えて今も現役です。

MXRとは?|“使いやすさ”を標準化したエフェクターメーカー

1972年創業、共同設立者のTerry SherwoodとKeith BarrはニューヨークのロチェスターにあるRush-Henrietta高校で出会い、オーディオ修理事業であるAudio Servicesを立ち上げ、ステレオやその他の音楽機器を修理を始めました。

この経験がMXRを形成する基礎となり、独自のエフェクトペダルのデザイン、Phase90を作成し、すぐにDistortion+、Dynacomp、Blue Boxの順で産み出しました。

1987年、MXRブランドはジム・ダンロップ社に買収され、Phase90やDyna CompなどのオリジナルのMXRクラシックのペダル・ラインはもちろん、現在ではCarbon CopyやFullbore Metalなどの最新のペダルを製造・販売を続けています。(英wikiより)

音がすばらしいのは皆さんが認めるところですが、基本モデルのケースを同じサイズにしたことや、種類ごとに本体の色をカラーリングして見分けやすいようにしたことが、、

●ユーザーとしては、安価で手に入れやすく、ステージ上で認識しやすく、運搬しやすい。

●メーカーとしては、利益を確保しやすい

という、エフェクター界のFenderとも言えるイノベーションを起こしたメーカーです。

その後、シリーズを通して同じケースであることや、歪み系は「黄色」というところは、我らが日本のBossにも引き継がれています。

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Phase 90で何ができる?|フェイザー=“ロータリー風の揺れ”を箱で作る

ところで今回の主役のPhase90は、フェイザーと呼ばれるエフェクターの最初期のモデルのひとつです。

フェイザーはONにすると「グワングワン」と音が揺れ、揺れのスピードをツマミの設定で速くしたり遅くしたりできます。

有名なハモンドオルガンの揺れを作る要素、「ロータリースピーカー」の効果を簡単に得られます。

「ロータリースピーカー」とは?

スピーカー自体を垂直の柱を軸にしてモーターに連結し、その回転、停止、回転スピードをプレイヤーが操作できるようになっている「アンプ付きスピーカー」

Hammond社で作られるオルガンの再生装置として作られました。

スピーカーの横に座っているオルガンプレイヤーの耳には、必然的にスピーカーがむこうを向いているときに鳴った音とこちら側に向いている時に鳴った音を同時に連続的に耳にします。

音は比較的伝わるのが遅い媒体なので、それだけの違いで、微妙にずれた音が重なって聞こえることになります。

再生箇所が移動していることにより、ドップラー効果も加わり、揺れに独特の深みが得られます。

実際どう使われてる?|“でかいロータリー”の代わりに普及した理由

「ロータリースピーカー」はビートルズの名曲の中では、ギターにも使われています。

Beatles「Something」

では左chのジョージハリスンのギターに柔らかい包み込むようなサウンドを聞くことが出来ます。右chのポールのベースがすご過ぎて耳を奪われますが、、、

しかしながら、でかい・重い・デリケートな「ロータリースピーカー」は潤沢な資金で音楽活動する当時のビートルズは気軽に使えたでしょうが、一般のミュージシャンではそうはいきません。

同様の効果が得られるエフェクター、Shinei社(現KORGの前身) Uni-vibeは登場していたものの、よりコンパクトで9V電池駆動可能のPhase90は爆発的に普及し、キーボーディストにも愛好者が広がりました。

現在でもキーボードの上に直に置かれているPhase90をよく見かけます。デジタル機器の内臓フェイザーではなく、アナログのフェイザーを外付けしたい気持ちはよくわかります。

Phase 90の原理|音を“ほんの少しズラして”揺れを作る

ではクルクル回るスピーカーから出る音をどうやってこの小さい箱で真似られたのでしょうか?

音は一種の波です。縦軸を振幅、横軸を時間とするグラフで音をあらわすと、どのような音も波のような形になります。

波の形が音の特徴をあらわし、波の間隔が狭くなると音程は高くなり、間隔が広くなると音程は低くなります。

その間隔が1秒に何回行われるかを数値化すると周波数となります。一秒に440回なら440hzとなり、音階はラ(A4)となります。

そして音の高低を問わず「上がって下がってもとの位置に戻る」波の1周期を360°と呼び、Phase「90」はその「ずらし度」を表しているそうです。厳密には音の高低によって波の1周期の長さが違うので、弾く音によっては90°でないのですが、姉妹機種のPhase45、Phase100も同様の意味の様です。

「ロータリースピーカー」においては、回転するスピーカーが物理的にそのずれを作り出すのに対して、「Phase90」では電気的に作り出しました。

専門的なことは私も詳しくないのですが、「ほんの少しだけ、音をずらして発生させることにより揺れを作り出す効果」とすれば分かって頂きやすいでしょうか。

ヴァン・ヘイレンも愛用?|著名ギタリストの使用例

有名なユーザーは、Eddie Van Hallenですが、70年代ファンクやロックに携わったミュージシャンならその全員が使ったことがあるのではないでしょうか。

芯があってクリアでやわらかいアナログサウンドは、どのスピード設定でも使えますし私自身、PHASE90かけっぱなしでリズムもリードも弾いています。

私とPhase 90|ジミヘンの“あの揺れ”が欲しくて

20代の頃でした。

大好きなジミヘンの曲をライブのレパートリーに必ず入れていた私の悩みの種は

Machine Gun (Live At Fillmore East, 1970 / 50th Anniversary)

Villanova Junction (Live at The Woodstock Music & Art Fair, August 18, 1969)

をそれっぽい音で弾けないことでした。

何らかのエフェクターが掛かっていることはわかるのですが、何かまではわかりません。

高校3年生の頃にはギターを辞めようかという友人がいて、辞めるのだったらと、高価なマルチエフェクターを借りて一通りエフェクターの音は知っていたつもりだったので、余計に何でこんな音がするのかわかりませんでした。

ところが当時勤務していた楽器店で、中古楽器を手入れ中に発見してしまったのがまさにこのPhase90でした。

音が出るかチェックするだけの「作業」だったのですが、とにかくクリーンでも、歪ましてもあの「水中サウンド」になるもので、ありとあらゆるアンプや歪みと繋げて延々遊んでしまいました。

おすすめのつなぎ方(現場的な好み)

特にヴァンヘイレンがそうであったように、センドリターンに挟むというようなこまっしゃくれたことはせず、マーシャル等の歪みの前に繋ぐことでより自分好みの音になりました。

他の空間系とは一線を画すウォームサウンドはどんなジャンルの音楽にも使えると思います。

まとめ|Phase 90は「揺れ」を“音楽にする”最短ルート

MXR Phase 90は、シンプルなのに音楽的。

1ノブで、ロータリー風の揺れから“水中サウンド”まで幅広く作れます。
かけっぱでも成立する芯のあるアナログ感は、今も愛される理由そのもの。

「揺れを足したい」じゃなく、“揺れを演奏に混ぜたい”人に刺さる一台です。

関連リンク:

🎶 アーティストページ:まえけんビーバーの音楽活動

🎤 講師紹介ページ:まえけんビーバーの音楽遍歴

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